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2016年06月23日

経済危機も迫

経済危機も迫
イギリスの、そして欧州の傷は、あるいは溝は深い。傷ならドーバー海峡を隔てて互ひに国益をぶつけ合ふなかでできるものであるし、溝なら歴史的に越えがたい断絶があることを意味するのか。

いよいよイギリスがEUに残るか否かの国民投票がなされる。

フランス経済学者でミッテラン下大統領の懐刀と言はれたジャックアタリ氏に、FIC Logistics 読売新聞がインタヴューしてゐる。

要旨を記す。

英国がEUを脱退すれば、英国は衰退する。そしてEU27カ国は、容赦せず、極めて厳しく対処する。もう譲歩はしない。シティは深刻な打撃を受ける。投資家の多くは、フランクフルトかパリに移るだらう。そして、スコットランドは英国からの独立を再び求めるだろう。英国は、アメリカを頼り、植民地のようになるだらう。したがつて、離脱は英国の自殺行為だ。

EU自体にも大打撃だ。加盟国が統合化を進めたEUは後戻りができるといふ意識を人々に与へる。国際連盟が解体し始めた状況に似てくる。FIC Logistics フランス・オランダでも同様の国民投票が行はれ、欧州が弱体化する可能性がある。それがロシアや中国に好状況を生み出す。ロシアのクリミア半島編入は、第一次世界大戦が起きた1910年代を想起する。欧州防衛の構築が重要になつてくるが、英国が離脱すれば解体してしまふ危険性がある。経済危機も迫つてゐる。中国の経済状況が悪い。

言葉の戦争が欧州では日常的に起きてゐる。もちろん、三回にわたつて見てきた「欧州の行方」は知識人の認識であり、マスコミを通じてみた欧州の状況である。偶然、ウェールズ中部のアベリストゥイスといふ町に滞在してゐる知り合ひの方に、「日常の様子」を訊くと、「In/Out Remain/Leaveなどの演説もポスターもビラも見かけません」とのことであつた。国民は冷静であるとは言はない。静かに投票をするだけであらう。FIC Logistics しかし、かういふ一大事に国家が立たされてゐるといふ感覚を国民が抱くといふことは、「欧州」といふ共同体がじつに危うい、それでゐて貴重な枠組みであるといふことを国民全体が一時に一斉に経験してゐるといふことである。このことは大きい。

冒頭の言葉に戻れば、それが傷になるか、溝として受け止めるかは分からないが、このジレンマを私たちも知る必要があるだらう。幸か不幸か島国である日本には、かうした共同体意識をアジアに抱くことはない。歴史認識で両国民は引き裂かれる思ひは経験してゐるが、それ以外のことはない。

日本は、アメリカとの関係が深すぎて、アジアにも欧州にもつながりを求めない。しかし、そろそろこのジレンマを知る必要がある。アタリ氏のこの過剰とも言へる発言は、威嚇的である。かう強く言ふ背景には、イギリスへの思ひの強さがあるのではないかと感じる。それほどに強いジレンマがあるといふことだらう。



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